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山本麻里 弐段

2009年2月15日取得

 

「極真魂を胸に」

 この度は、記念すべき公認昇段審査会で師範となる五段を懸け受審される四段の先生方と一緒に受審させてもらえる機会を与えていただきましてありがとうございました。
 初段となり極真の道のスタートラインに立ってから、4年半が経ちました。
海野先生から「次の公認審査会を受けるように」とのお話をいただいたとき、身体の故障をはじめ色々な不安がありましたが「押忍」と返事をした時に全ての不安がすっと消えていく不思議な感覚がありました。
初段の審査に臨んだ4年半前は、日々の稽古で不安になったり、焦ったり、逃げ出したい気持ちになったりしました。しかし、今回は身体の故障があるにもかかわらず淡々と稽古することができました。完全ではないからこそ、故障があるからこそ慌てずに日々の稽古を心がけるようにしました。審査会が特別な事ではなく、そこまでの道のりが大切という気持ちで普段と変わりない稽古しながら、審査会に対しての不安や焦りは稽古をする事によって解消しよう!と私自身に言い聞かせながら稽古に励みました。そんな中、ハッと胸に感じる事がありました。私の前にも横にも後ろにも、同じように拳立て、腹筋、組手に付き合ってくれる先生がいる、先輩がいる、道場生の仲間がいる、私の心を強くしてくれるのは、同じ極真の方向を向いた大勢の人達の気持ちのお陰なんだ。自分の為だけだったのなら、身体の故障を言い訳にして苦しい稽古も続かなかったかもしれません。
そして、海野先生も五段に挑戦される大切な稽古にご一緒させていただき、しかも細やかな気遣いをしていただきました。海野先生はご自分も稽古をしながら私達の事もしっかり見てくださっていて的確に指摘してくださいます。
審査会が近づいて、道場生からご父兄から手紙をたくさんいただきました。一通一通には熱い思いが込められていて、それが私自身の自信となりました。そして、私は道場以外でお世話になっている方々に手紙を書きました。
審査会が近づいているのに、とっても落ち着いた気分でした。
 
 審査会当日は、準備運動・基本稽古・型・補強・連続組手と普段と変らない内容だったのですが大勢の見学者に少々緊張してしまいましたが、大石主席師範の合間合間のお話や指導で緊張が解けました。というのも日頃、海野先生は「私の指導は大石主席師範が指導されていることと同じだよ」と指導してくださるように、審査会でも合宿でも大石主席師範と海野先生は同じ指導をしてくださいます。ですから、場所や周りの人達、雰囲気は日々の稽古とは違っていても、やっている事は道場稽古と変わりないのでいつも通りの気持ちで臨むことができました。時代は変っても、私自身が歳を重ねていっても、一緒に稽古する道場生が小さな子供でも変らない稽古をしているからこそ私でもここまで続けられているのだと改めて感じる事ができました。初段の時は、みんなの声が私の背中を押してくれたと感じていましたが、今回は先生・先輩・道場生のみんな、そして父兄のみんなが一丸となって審査会に向かったという感じでした。
大石主席師範が日頃お話されているなかに「極意は体験の中にあり、よって体験を恐れることなかれ」と大山総裁のお言葉があります。何もしないうちからあれやこれや不安になったり躊躇したりせず、挑戦する事によって何かが見えてきたり今まで気が付かなかった事を気付かされたり、公認審査会を目標として稽古する中での大きな収穫でした。

大山総裁から大石主席師範へ、そして海野師範から私達へ、私達から道場生へと極真空手を正しく伝承していかなくてはならないと改めて感じました。これからも、私自身の挑戦を怠ることなく極真魂を胸に極真空手の普及発展に努めていきたいと思います。 

 

押 忍

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